目次

1.薬業界の全体像と各種業態の定義

1-1.薬業界の全体図

1-2.薬局、薬店、置き薬とは

1-3.ドラッグストアとは

2.薬業界の規模と動向

2-1.業界の「ヒト」の規模と動向

2-2.業界の「モノ」の規模と動向

2-3.業界の「カネ」の規模と動向

3.薬業界独自の事情

3-1.過去の規制(医薬分業)

3-2.現在の規制(セルフメディケーションの推進)

3-3.今後の動向

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1-1.薬業界の全体像

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1-2.薬局、薬店、置き薬とは

ここでは、薬局、薬店、置き薬の用語の解説と分類をいたします。

  • 薬局とは

薬事法第三章によると、薬局とは、調剤室があり、薬剤師が管理し、なおかつ所在地の都道府県知事に許可を受けたものを示します。

許可を受けなければ、「薬局」という名前さえ使用できないそうです。

調剤とは、医者の処方箋に従い特定の薬剤を調合することです。つまり、薬局は、薬剤師がいて調剤できる施設である必要があります。

社団法人薬剤師会によると、2009年に53304ある薬局のうち、52358の薬局が、保険指定を受け健康保険を使った処方箋の受付をすることのできる保険薬局です。

つまり薬局のうち98%の薬局で保険を使った調剤のサービスを受けられるということです。ただし、保険薬局の中でも、調剤を主とする薬局や、大衆薬の小売りを主とする薬局に分かれます。

出所:薬局の定義は薬事法を参照(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html)。保険薬局数は薬剤師会より(http://www.nichiyaku.or.jp/action/?cat=1639)。

  • 薬店とは

薬店という言葉が薬事法にはなかったので、三省堂の大辞林の定義を使用しました。大辞林によると、薬店とは、

「薬剤師のいない、薬を売る店。調剤室がなく、販売品目に制限がある。薬事法により薬局と区別されている。薬舗。」

つまり、これは法律による分類だと店舗販売業に当たります。薬事法によると、店舗販売業とは、

「一般用医薬品(医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであつて、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているものをいう。以下同じ。)を、店舗において販売し、又は授与する業務」

つまり、薬店とは、調剤できない、大衆薬を売る店だと考えられます。三省堂の定義では薬店は薬剤師のいない店となっていますが、店舗販売業の定義では薬店は薬剤師も含む場合があります。ここでは店舗販売業の定義を採用します。

出所:薬店の定義は薬事法を参照(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html)。

  • 置き薬とは

置き薬とは、薬を客先に出向いて販売する業態です。薬事法では、配置販売業と呼ばれています。具体的には、

許可を得た販売業者や配置員が、直接、消費者の家庭を訪問して、くすりをあらかじめ消費者に預け、次回、訪問したときに消費者が服用した分だけの代金を集めていくというものです。

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出所:全国配置家庭薬協会(http://www.zenhaikyo.com/

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1-3.ドラッグストアとは

ここまで、薬局、薬店、置き薬の定義を確認してきました。では、ドラッグストアはこの三つの中のどの中に属するのでしょうか?

結論から言うと、ドラッグストアは、薬局薬店どちらにもまたがって分類しています。

日本標準産業分類によると、ドラッグストアとは、

主として医薬品,化粧品を中心とした健康及び美容に関する各種の商品を中心として,家庭用品,加工食品などの最寄り品をセルフサービス方式によって小売する事業所をいう。

とのことです。そして小売りを主とする薬局や、調剤を主とする薬局はこれに当たらないとしています。この定義通りいうと、薬局は、大衆薬を販売する薬店に分類されます。

しかし、実際にはドラッグストア大手チェーンは、調剤できる薬局を数多く構えています。

このことから、ドラッグストアは、薬局薬店両方に分類されるといえます。

ちなみに、大手ドラッグストアの売り上げ構成割合はどうなっているのでしょうか。

マツモトキヨシの2010年度の4245億円の売上のうち、化粧品が1501億円、雑貨と食品を合計した最寄品が1330億円、医薬品が1206億円となっております。

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出所:言葉の定義は日本標準産業分類(http://www.e-stat.go.jp/SG1/htoukeib/Detail.do?bunCode=6031)より。マツモトキヨシの売上は有価証券報告書(http://navigator.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=yuho_pdf&sid=1594922&code=3088&ln=ja&disp=simple)より

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2.業界の規模と動向(目次)

業界全体を分析してみて、ドラッグストアや調剤薬局が業界全体の伸びをけん引していることが分かったので、この二つの業界のデータも見ていきます。

2-1.業界の「ヒト」の規模と動向

2-1-1.業界の「ヒト」の規模と動向(全国と東京の値)

2-1-2.業界の「ヒト」の規模と動向(業態別の値)

2-1-3.業界の「ヒト」の規模と動向(推移)

2-2.業界の「モノ」の規模と動向

2-2-1.業界の「モノ」の規模と動向(業界全体)

2-2-2.業界の「モノ」の規模と動向(ドラッグストアの値)

2-2-3.業界の「モノ」の規模と動向(ドラッグストア以外の薬店薬局の値)

2-3.業界の「カネ」の規模と動向

2-3-1.業界の「カネ」の規模と動向(業界全体)

2-3-2.業界の「カネ」の規模と動向(ドラッグストアの値)

2-3-3.業界の「カネ」の規模と動向(ドラッグストア以外の薬店薬局の値)

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2-1-1.業界の「ヒト」の規模と動向(全国と東京の値)

厚生労働省によると、2008年の全国の薬剤師数は、26万7751人で、そのうち13万5716人が薬局に勤めています。

つまり、薬剤師のうちの半分近くは薬局で働いていることになります。

また東京の薬局に勤めている薬剤師の数は、1万2933人(2008年)います。

なお、薬剤師の平均年齢は44歳で、薬局に勤める薬剤師の平均年齢は45歳とのことです。

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出所:厚生労働省 平成20年医師・歯科医師・薬剤師調査より作成(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001060599

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2-1-2.業界の「ヒト」の規模と動向(職業別)

2-1-1では、薬局に勤める薬剤師の割合に触れました。では、薬局の開設者、勤務者や薬店に勤める人はそれぞれどれくらいいるのでしょうか?

厚生労働省によると、2008年に薬局の勤務者は、11万6472人だけいて、全体の43.5%を占めています。薬剤師の勤務先として最もポピュラーなのが、薬局の勤務者のようです。

また、薬局の開設者は全体の7.2%を占め、1万9278人います。薬店に勤める人は、全体の1.6%を占め、4284人います。つまり、調剤薬局のないドラッグストアで勤める人は少数派のようです。

したがって、薬局・薬店に勤める薬剤師は合計すると14万34人いて、全体の52.3%占めます。

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出所:厚生労働省 平成20年医師・歯科医師・薬剤師調査より作成(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001060599

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2-1-3.業界全体の「ヒト」の規模と動向(推移)

  • 薬剤師総数の推移

厚生労働省の資料によると、1955年から2008年にかけて、薬剤師総数は下図のように推移しています。

年々増加していて、2008年には薬剤師は、1955年に比べ約5倍増加したことになります。

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出所:厚生労働省 平成20年医師・歯科医師・薬剤師調査より作成(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001060599

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2-2-1.業界の「モノ」の規模と動向(業界全体)

厚生労働省によると、2009年度の全国薬局、薬店、置き薬は、それぞれ5万3642店舗、2万3180店舗、9995事業所だけあるとのことでした。

各々97年に比べ、26%増加25%減少、62%減少となっていて、薬局と薬店・置き薬の対照的な推移が見て取れます。

なお、東京の薬局、薬店、置き薬はそれぞれ、6008店舗、2514店舗、446事業所(2009年度の値)あります。東京でも薬局の数が大幅に増え、その他が大幅に減少している構図は変わりません。

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各々97年に比べ、21%増加24%減少、72%減少となっています。

出所:厚生労働省 衛生行政報告例(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001031469)。薬店の店舗数は、店舗販売業と薬種商販売業を合計した値。

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2-2-2.業界全体の「モノ」の規模と動向(ドラッグストア)

日本チェーンドラッグストア協会によると、2010年度の全国のドラッグストアの店舗数は、1万6259店舗で、

2005年度に比べ10.4%増加しました。下の表にある通り、店舗数は年々増加しており、競争が激化しています。

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なお、このデータからドラッグストア以外の小規模薬店の店舗数は減っている可能性が高いです。

なぜなら、今でもドラッグストアの店舗の大半が薬店であることが多いからです。

薬店全体が減っているのに、ドラッグストアが伸びているということは、小規模薬店は減っていると思われます。

出所:2010年度の日本チェーンドラッグストア協会の調査(https://sites.google.com/site/dgsonweb2011/themebooth/booth2-2

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